広島経済レポート|広島の経営者・企業向けビジネス週刊誌|発行:広島経済研究所

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  • 掲載ニュース― NEWS ―

    今週の表紙
    TAA広島会場長に就任 / 前原 康昌 氏
    NEWSな人
    12月で創業70周年 地域根ざし小売りに徹す / 山陽鋼材 中川 淳一 社長
    ロードスターでドライブ 一人親家庭の子ども招待 / ロードスタークラブオブジャパン 水落 正典 代表
ニュース一覧
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グルメ&ナイト― GOURMET and NIGHT ―

話題のお店を取材!
十割そば 豊月庵 / 伊藤 雅規 代表

島根県邑南町の蕎麦店「瑞穂ふくのや」を経営する(合同)ふくのやが8月に開店した。日本蕎麦保存会の「おいしいそば産地大賞」で第4位に選ばれた島根県のそば「三瓶在来」など、中国山地の在来種をブレンドし自家製粉・製麺して提供。伊藤雅規代表は、
「三瓶在来は香りと粘り強さが特徴。そこに味とコクやモチモチ感のあるそばを混ぜ合わせてさらに味わい深いおそばを打っています。しょうゆやワサビ、米なども島根県産を主に使うなど、産地にこだわっています」
 大田市の有名店「手打ちそば千蓼庵」で修業し独立。邑南町をそばの町とし、にぎわいの創出を目指す「邑南そば街道推進協議会」の発足にも奮闘した。
「11月からサラリーマン向けにミニそばとんかつ定食(800円)など、丼物や定食も始めました。『蕎麦前』をつまみに1杯やって、シメにそばを食べるといった蕎麦屋でお酒を飲む風習を広島でも根付かせたい」

    INFORMATION
  • ◆住所:中区八丁堀8-4
  • ◆電話:070-8392-2908
  • ◆席数:12席
  • ◆営業時間:平日=午前11時半〜午後2時、午後5〜8時半、土曜=午前11時半〜午後3時
  • ◆定休日:日曜・祝日
  • ※発行当時の情報となります。過去の記事につきましては、最新情報を掲載店さまにご確認ください。

スポーツ応援談― SPORTS TALK―

経営者が語るスポーツ「愛」
キャリアフォーカス / 棚多 里美 代表

広島県の地域ケア部長、働く女性・子育て支援部長、県男女共同参画財団常務理事などを経て、2019年4月にコンサルタントで起業しました。
 約10年前の県健康福祉局こども家庭課課長時代にはカープ球団の松田元オーナーを訪れ、「子育て中の親が幼い子どもと一緒にカープ観戦ができて、家族みんなが幸せになるために協力していただけませんか」と要望。すると、二つ返事で「自分の思いと一緒。野球でみんなを幸せにしたい」と。とんとん拍子で子育て家庭の試合招待、県の子育て支援関連ポスターへの選手掲載などが決まり、ブラウン監督は記者会見を通じて「パパ、ママ、一人じゃないよ」とメッセージを発信してくれました。招待日は紙おむつ無料サービスを実施し、ベビーカー置き場やキッズスペース、ふわふわドームを設置。子どもを抱いたまま選手に熱い声援を送るファンの姿を見ると、うれしさがこみ上げてきました。グラウンド整備の合間にはスラィリーのダンスに加え、オーロラビジョンにパパ・ママの「子育てイクちゃんストレッチ」の模様が映され、みんなで一緒に体操。その後も招待が続き、子育て家庭のことを配慮した運営方針を見ると、松田オーナーの思いがとても反映されているのだと感動します。
 サンフレと広響でも招待が実現。普通は静かに聞くべきコンサートも、子どもの好きな曲が流れるたびに歓声が上がります。幼い頃から地元プロのスポーツや文化芸術を見聞きすることで情操教育になり、郷土愛も育まれます。赤ちゃんの時からカープファン、増えるといいな。

コラム― COLUMN ―

                                   
記者が注目する「こぼれ話」
今年の大ニュース

むろん専門は経済で、政治は専門外だが、何と予想が当たった。本誌新年号の本欄で広島銀行系のシンクタンク、ひろぎん経済研究所(中区紙屋町)理事長の水谷泰之(ひろゆき)さんがズバリ、今年一番の大ニュースになった岸田文雄総理誕生を示唆していた。安倍さんの退陣後、昨年9月にあった自民党総裁選に敗れて「岸田は終わった」とさえ言われたが、まさに起死回生である。ドヤ顔の水谷さんは、
「むろん確たる根拠はなく、もしやという期待だった。だが、いまは鼻高々。予想なるものが当たることはめったにないので、こんな時くらい笑って許してください」
 カープはさておき、広島の街に久々に明るいニュースが走った。
 総理就任の直後、10月にあった衆議院議員総選挙は、政治分野に精通するマスコミの大方の予想を裏切り、自民党が絶対安定多数を確保。何やら岸田さんに少し余裕が出てきたようにも感じるが、これからが本番。来年7月には参議院議員選挙(半数改選)が控える。米中覇権争いの中、外交や経済などに難関が次々押し寄せており、ひるむことなく、したたかな日本丸のかじ取りを託したい。先ごろ「新しい資本主義実現会議」が立ち上がり、今後は果たして成長と分配の歯車がうまくかみ合うかどうか、景気を占うポイントになりそうだ。
 今年もあとわずか。長引くコロナ禍に加え、中国の恒大集団経営危機、半導体不足、原油高、原材料価格の高騰、脱炭素化の動き、米中のきしみなど、世界の荒波に日本経済が翻弄(ほんろう)され続け、いや応なしに世界が近いことを実感させられた。
 わずか40年ほど前。日本経済の黄金期ともいえる高度成長期の要因を分析し、日本的な経営を高く評価した社会学者エズラ・ヴォーゲルの1979年の著書「ジャパン・アズ・ナンバーワン」がベストセラーになり、一世を風靡(ふうび)した。その後失われた時代とも呼ばれる日本経済の凋落ぶりは一体どんな理由によるものか。研究所の水谷さんは、
「分析すればさまざまあるだろうが、もうこれくらいでいいだろうという日本人らしい謙虚な満足感が少なからず影響したのではないか、油断につながったかもしれない」
 今年1月亡くなった作家の半藤一利氏の40年周期説によると1868年の明治維新、約40年後の日露戦争勝利、その40年後に敗戦、そして約40年後の1989年に株価が最高値を更新し、その後にバブル崩壊。周期説だと2030年まで低迷を続けることになるが、新しい資本主義で一刻も早く克服してもらいたい。その先にどんな世界が開けるのか、新しい年にその第一歩を期待。
 ▷今年5月、おかげさまで本誌創刊70周年を迎えることができた。ひろしま自動車産学官連携推進会議の協力を得て「10年後の広島の自動車産業のあるべき姿」を課題に懸賞論文を募り、素晴らしい力作が寄せられた。新年1月に最優秀作を発表予定。まさにここ10年、車産業は大変革のときを迎え、それを予感させる提言がそろう。大学や関係団体、金融機関トップらにお願いした審査員の方々を困らせるに違いない。今後もできるだけ多く広島の街を元気にするオピニオンを載せたい。

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